赤いギターと白い雲
ベンチャーズとともに駆け抜けた青春

            8.GSをやろう!(2)

 11月に入った、ある朝のホームルームで、担任の川原順子先生から、
「12月のクリスマスに近い日に、クリスマス会をやりましょう。お友達同志で組んで、何かみんなの前で発表するものを考えておいて下さい。歌を唄ってもいいし、劇をやってもいいし、何でもいいんですよ。」
 という話があった。
 クラス中がざわめき、そちこちで普段仲の良いもの同志が、「何をやろうか」と相談を始めていた。

 秀は当然、角山 勇、兼田ノリヒロと組んで、グループ・サウンズをやるつもりだったので、早速二人と打ち合わせを始めた。
 すると、そこへ、吹奏楽クラブでパーカッションを担当している、工藤 弘一が来て、
「僕もグループ・サウンズ好きなんだ。仲間に入れてよ。」
 と言う。
 そういえば、秀たちのグループには、ドラム奏者がいない。縁があれば、都合のいいように物事が運ぶものだ。もちろん秀も勇もノリヒロも、大歓迎であった。

 クリスマス会の日取りは、12月23日と決まった。午前中の授業をまるまるつぶして行うという、川原先生の粋なはからいである。

 秀たち四人は、早速秀の家に集り、話し合いを始めた。
まず決めなければならないのは、グループ名だ。
「タイガース」「テンプターズ」のような、カッコイイ名前を付けたい。四人各々の口から、勝手な名前が飛び出してくる。
「タイガースに対抗して、”ドラゴンズ”はどうだろう」
とノリヒロ。
「それじゃ、プロ野球みたいだ。”ブルー・ダイヤモンズ”ってのはどう?」
と弘一が言えば、秀は
「なんだか洗剤みたいな名前だなあ。”虹沢 秀とワイルド・フォー”がいいよ。」
 秀は加瀬邦彦のように、グループ名の頭に自分の名前を乗せたかったのだ。しかし、当然これも、即座に却下された。
 すると、一人黙っていた勇が、ポツンとつぶやいた。
「ルネッサンス・・・。」

        

 発売されたばかりの、タイガースのニュー・アルバム「ヒューマン・ルネッサンス」から思いついたのだろうが、それまでに提案された、どの名前よりも、GSらしくてカッコよく思われた。
「あ、いいね、それ。」
とノリヒロ。
「うん、いいね。それがいいよ。」
と弘一。
「それじゃ、ルネッサンスに決まりだ。」
秀も認めざるを得なかった。

 勇のつぶやいた一言に、満場一致となって、グループ名は「ルネッサンス」と決定した。


            

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